マサンドラ公団は9つあるソフホーズ(国営農場)の中心となるワイナリーである。公団の領地は西はフォロースから東はスダークに至るクリミア半島南岸の細長い地域に広がる。乾いた亜熱帯地方の温暖な気候、岩屑質と粘土質の土壌、複雑な山の地形。これらの諸条件がヨーロッパの有名な品種に独特の特徴をもたらした。すなわち、他に類を見ない固有の高品質デザートワインおよび酒精強化ワインをつくり出した。
葡萄酒醸造においてウクライナを代表するトップメーカーである。
ヤルタ郊外には海岸に面したまるで絵画のような緑豊かな丘の上にマサンドラがある。程近いところに幾世紀にもわたる古い松の林に囲まれた峡谷にマサンドラ公団は位置する。1894-1897に建てられたワイナリーは雄大で美しい。トンネルは山の傾斜に向かって奥深く伸びている。冷涼な地下の無数のオーク材の樽やタンクの中でワインは熟成されている。建設当初からマサンドラワイナリーはワインづくりの中心地であり古典的な手法によるぶどう酒醸造の頭脳となった。マサンドラ公団は数多くの銘柄を出荷している。それぞれが互いに異なるが共通して言えることは"高品質"であること。
マサンドラのワインは国際コンクールにおいて4つもの≪スーパーグランプリ≫と4つの≪グランプリ≫、190の金メダルと銀メダルを獲得している。マサンドラのワインは市場へ出荷するまでに複雑な製造工程と2-5年間オーク材の樽の中で熟成が行われる。マサンドラのワインは、有害な化学的物質を一切使用せず、天然素材のみの使用を基本原理とする古典的製法が導入されている、生態学的に極自然なワインである。
マサンドラ公団の9つのソフホーズの農地は、南は黒海に突き出たフォロースから北はクリミア山脈の先頭にあたるスダークまでの約180kmに伸びる狭い沿岸地帯に位置する。切り立った岩山と窪地、石灰岩の塊、狭い渓谷、緩やかな山々の傾斜。乾いた空気と風により大地は乾燥する。年間通して雨は稀で、主に12-1月に降る。全体として南岸地方の気候は葡萄栽培に適している。
温暖な冬、適度に暑い夏、さち多き春、穏やかな秋。クリミア半島沿岸地帯の土壌はさまざまである。砂質粘土性土壌や多量の砂利を含んだ粘土質土壌、粘土質の片岩(粘板岩、スレート)が大部分を占める。沿岸地帯の土壌はすべて腐植土から成る基本ミネラル塩分量に乏しく、特に窒素と燐が不足している。ぶどう畑は海抜20-30mから300mまでの高さにある。川の流れる谷間や傾斜角3-25度の絶壁は4000以上あり、その大部分の大きさは5ヘクタール以下である。
公団のすべてのソフホーズは共同出資によってつくられた大規模な基金を持っており、この基金のおかげで大きな課題も解決することができる。今日の困難な時代においても公団の職員たちはワインづくりのための努力を惜しまない。2005年、公団全体としてぶどう畑の面積を4290ヘクタールまで拡大し、毎年ぶどうの総収穫量19000-20000トンを計画している。